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相続税の税務調査:8割で申告漏れ・追徴税額と時効

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この記事の結論

  • 国税庁の「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」によると、相続税の実地調査は9,512件で、うち7,826件(82.3%)で申告漏れ等の非違があり、追徴税額は合計824億円(1件当たり867万円)でした。
  • 実地調査のほか、文書・電話・来署依頼による「簡易な接触」が21,969件あり、5,796件で申告漏れ等が見つかっています。無申告事案への実地調査は650件で、追徴税額142億円は公表を始めた平成21事務年度以降で最高でした。
  • 相続税の更正・決定は、原則として法定申告期限から5年を経過するとできなくなりますが、偽りその他不正の行為で税額を免れた場合は7年です(国税通則法70条)。

相続税の申告をした後や、申告をしなかった場合に、税務署から連絡が来ることがあります。国税庁は毎年、相続税の調査の件数や申告漏れの状況を公表しています。最新の「令和6事務年度(令和6年7月〜令和7年6月)における相続税の調査等の状況」(令和7年12月公表)の数字と、調査ができる期間の決まりを整理します。

実地調査の状況(令和6事務年度)

国税庁は、資料情報などから申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるのに無申告と想定される事案などについて実地調査を行ったとしています。

項目 令和5事務年度 令和6事務年度
実地調査件数 8,556件 9,512件
申告漏れ等の非違件数 7,200件 7,826件
非違割合 84.2% 82.3%
重加算税賦課件数 971件 1,065件
申告漏れ課税価格 2,745億円 2,942億円
追徴税額(本税+加算税) 735億円 824億円
1件当たりの申告漏れ課税価格 3,208万円 3,093万円
1件当たりの追徴税額 859万円 867万円

非違割合82.3%は、調査の対象に選ばれた事案の中での割合です。申告した人全体のうち8割に申告漏れがあるという意味ではありません。非違があった事案のうち、重加算税(財産を隠したなどの場合)が課されたのは13.6%でした。

簡易な接触:文書・電話での是正

国税庁は、実地調査のほかに、文書・電話による連絡や来署依頼による面接で申告漏れや計算誤りを是正する「簡易な接触」も行っています。

項目 令和5事務年度 令和6事務年度
簡易な接触件数 18,781件 21,969件
申告漏れ等の非違件数 5,079件 5,796件
申告漏れ課税価格 954億円 1,123億円
追徴税額 122億円 138億円
1件当たりの追徴税額 65万円 63万円

令和6事務年度の件数・非違件数・申告漏れ課税価格・追徴税額は、いずれも公表を始めた平成28事務年度以降で最高でした。申告後に税務署から文書や電話で問い合わせがあった場合は、この簡易な接触にあたることがあります。申告前に届く「相続についてのお尋ね」とは別のものです(相続についてのお尋ね)。

無申告事案と海外資産

項目 令和6事務年度
無申告事案の実地調査件数 650件(非違562件、86.5%)
無申告事案の追徴税額 142億円(1件当たり2,187万円)
海外資産関連事案の実地調査件数 1,359件
海外資産に係る申告漏れ等の非違件数 209件(申告漏れ課税価格97億円)

無申告事案の追徴税額142億円は、公表を始めた平成21事務年度以降で最高でした。国税庁は、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)など租税条約に基づく情報交換を活用して海外資産の把握に努めているとしています。期限を過ぎた場合の加算税と延滞税は相続税の申告期限を過ぎたらにまとめています。

贈与税の調査も行われている

国税庁は、相続税を補う贈与税についても、無申告事案を中心に調査しています。令和6事務年度の贈与税の実地調査は2,778件、申告漏れ等の非違件数は2,582件、追徴税額は123億円でした。非違のうち無申告が83.4%を占め、財産別では現金・預貯金等が62.9%(延件数)でした。

家族名義の口座に亡くなった人のお金が残っていると、相続財産として扱われることがあります(名義預金とは)。生前の贈与の扱いは生前贈与と相続税で確かめてください。

調査ができる期間(いわゆる時効)

国税通則法70条は、税務署が更正(申告額を直すこと)や決定(無申告の人の税額を決めること)をできる期間を定めています。

場合 期間 根拠
原則 法定申告期限から5年 国税通則法70条1項
偽りその他不正の行為で税額を免れた場合 法定申告期限から7年 国税通則法70条5項

相続税の法定申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(相続税の申告期限は10か月)。期間の起算点は亡くなった日ではなく、この申告期限です。期間が過ぎるのを待つより、申告漏れに気づいた時点で修正申告や期限後申告をするほうが、加算税が軽くなる場合があります。

調査に備えて残しておくもの

  • 申告に使った通帳・残高証明書・評価の計算資料
  • 家族名義の預金について、お金の出どころが分かる資料
  • 生前贈与をした場合の契約書や贈与税の申告書の控え

申告に必要な書類の全体は相続税申告の必要書類にあります。

よくある質問

相続税の税務調査はどれくらいの割合で申告漏れが見つかりますか?

国税庁の公表では、令和6事務年度の相続税の実地調査9,512件のうち、7,826件(82.3%)で申告漏れ等の非違がありました。実地調査は、資料情報から申告額が過少と想定される事案や無申告と想定される事案などを対象に行われているため、申告した人全体の割合ではありません。

相続税の追徴課税はいくらくらいですか?

令和6事務年度の実地調査では、追徴税額(本税と加算税)の合計が824億円、1件当たり867万円でした。無申告事案の実地調査に限ると1件当たり2,187万円です。個々の金額は申告漏れの内容によって大きく変わります。

相続税の時効は何年ですか?

国税通則法70条により、相続税の更正や決定は、原則として法定申告期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月以内)から5年を経過するとできなくなります。偽りその他不正の行為で税額を免れた場合は7年です。

出典・参考(公的機関)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の申告・調査への対応は税理士・所轄の税務署にご確認ください。

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申告先の税務署は、亡くなった方の死亡時の住所地で決まります。地域ページでは管轄税務署の所在地・ 電話番号・管轄区域を国税庁の公表資料から掲載しています。

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