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自筆証書遺言の書き方:4つの要件と法務局の保管制度
- 遺言書
- 自筆証書遺言
- 遺言書保管制度
この記事の結論
- 自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自書し、印を押すことが要件です(民法968条1項)。
- 財産目録は自書でなくてもよく、パソコンで作った一覧や通帳の写しも使えますが、目録の各ページに署名と押印が必要です(同条2項)。
- 法務局の自筆証書遺言書保管制度を使うと、保管の手数料は1件3,900円で、亡くなった後の家庭裁判所の検認が不要になります。
自筆証書遺言は、紙とペンと印鑑があれば自分で作れる遺言です。ただし民法が定める方式を一つでも欠くと無効になるため、要件を押さえてから書きます。
民法968条の4つの要件
民法968条1項は、自筆証書によって遺言をするには、遺言者が「その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」と定めています。
| 要件 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 全文の自書 | 本文をすべて自分の手で書く | 本文のパソコン作成・代筆は不可 |
| 日付の自書 | 作成した日付を書く | 日付が特定できる書き方にする |
| 氏名の自書 | 遺言者の氏名を書く | 戸籍どおりの氏名が確実 |
| 押印 | 印を押す | 実印でなくてもよいとされるが、実印が確実 |
財産目録はパソコンや通帳の写しでもよい
民法968条2項により、遺言書と一体のものとして添付する財産目録は自書しなくてかまいません。パソコンで作った一覧表、不動産の登記事項証明書や通帳の写しを目録として付けられます。その代わり、目録の毎葉(両面に自書でない記載があるときは両面)に署名し、印を押す必要があります。
書き間違えたときの訂正方法
加除その他の変更は、遺言者が変更の場所を指示し、変更した旨を付記して署名し、変更の場所に印を押さなければ効力を生じません(民法968条3項)。訂正の方式は厳格なので、書き損じた場合は全文を書き直すほうが安全です。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
| 項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|
| 作る人 | 遺言者本人 | 公証人(遺言者が趣旨を口授) |
| 証人 | 不要 | 2人以上の立会い(民法969条) |
| 費用 | 紙・ペン代(法務局保管なら3,900円) | 公証人の手数料がかかる |
| 亡くなった後の検認 | 必要(法務局保管なら不要) | 不要 |
亡くなった後に家庭裁判所の検認が必要になる流れは、遺言書の検認とはで説明しています。不動産・預貯金の書き方を含む例文は遺言書の例文にまとめています。
法務局の自筆証書遺言書保管制度
法務局(遺言書保管所)に自筆証書遺言を預けると、紛失や改ざんのおそれがなくなり、相続開始後の検認も不要になります(遺言書保管法11条)。法務省の案内による主な手数料は次のとおりです。
| 手続 | 手数料 | 請求できる人 |
|---|---|---|
| 遺言書の保管の申請 | 1件(遺言書1通)3,900円 | 遺言者 |
| 遺言書の閲覧(モニター) | 1回1,400円 | 遺言者・関係相続人等 |
| 遺言書の閲覧(原本) | 1回1,700円 | 遺言者・関係相続人等 |
| 遺言書情報証明書の交付 | 1通1,400円 | 関係相続人等 |
| 遺言書保管事実証明書の交付 | 1通800円 | 関係相続人等 |
手数料は収入印紙で納めます。保管の申請は予約制で、遺言書の用紙や余白には法務省が定める様式があるため、作成前に法務省の案内で確認しておくと書き直しを防げます。
遺言を書く前に確かめること
遺言で財産を一人に集めても、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があります。取り分の目安は遺留分とはを、誰が相続人になるかは法定相続人と法定相続分を参考にしてください。
よくある質問
自筆証書遺言はパソコンで書いてもよいですか?
本文はできません。民法968条1項は全文・日付・氏名の自書を求めています。自書でなくてよいのは財産目録だけで、その場合も目録の各ページ(両面に記載があれば両面)に署名と押印が必要です。
書き間違えたときはどう直しますか?
民法968条3項により、変更する場所を示し、変更した旨を付記して署名し、変更の場所に印を押します。この方式を守らない訂正は効力を生じません。書き直せるなら全文を書き直すほうが確実です。
法務局に預けるといくらかかりますか?
法務省の案内では、遺言書の保管の申請は1件(遺言書1通)につき3,900円で、収入印紙で納めます。亡くなった後に相続人が遺言書情報証明書を請求する場合は1通1,400円です。
出典・参考(公的機関)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、遺言の有効性を保証するものではありません。個別の遺言の作成は弁護士・司法書士・公証役場等にご相談ください。
地域別の管轄税務署・相続手続きガイド
申告先の税務署は、亡くなった方の死亡時の住所地で決まります。地域ページでは管轄税務署の所在地・ 電話番号・管轄区域を国税庁の公表資料から掲載しています。
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