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遺言書の例文:自筆証書遺言の書き方の型と様式例

  • 遺言書
  • 自筆証書遺言
  • 書き方

この記事の結論

  • 自筆証書遺言は全文・日付・氏名を自書して押印します(民法968条1項)。日付は「令和○年○月吉日」のように特定できない書き方では法務局で預かってもらえません(法務省)。
  • 法務局の保管制度を使う場合は、A4・片面・余白(上5mm・下10mm・左20mm・右5mm以上)・ページ番号などの様式も守ります。
  • 財産は不動産なら登記事項証明書どおり、預貯金なら金融機関・支店・口座番号で特定し、誰に何を「相続させる」かを書くのが基本の型です。

自筆証書遺言は自分で書ける反面、形式を一つ欠くだけで無効になったり、法務局に預けられなかったりします。ここでは、民法の要件と法務省の様式ルールに沿った「書き方の型」を示します。要件そのものの解説は自筆証書遺言の書き方にまとめています。

例文(書き方の型)

次は、配偶者に自宅、長男に預金を残す場合の型です。○の部分は実際の内容に置き換えます。財産の書き方や分け方は家族の状況で変わるため、そのまま使える完成文ではなく、構成の目安として見てください。

行 書く内容(例)
表題 遺言書
1 遺言者は、遺言者の有する次の不動産を、妻○○○○(昭和○年○月○日生)に相続させる。 所在 ○○市○○町○丁目 地番 ○番○ 地目 宅地 地積 ○○.○○平方メートル(建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積)
2 遺言者は、遺言者の有する次の預貯金を、長男○○○○(平成○年○月○日生)に相続させる。 ○○銀行○○支店 普通預金 口座番号○○○○○○○
3 遺言者は、前各項に記載した財産を除く遺言者の有する一切の財産を、妻○○○○に相続させる。
4 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、長男○○○○を指定する。
日付 令和○年○月○日
住所・氏名・押印 住所 ○○県○○市… 遺言者 ○○○○ 印

例文の各行で押さえること

  • 「相続させる」:特定の財産を相続人の一人に承継させる遺言は、民法1014条2項で「特定財産承継遺言」と呼ばれます。相続人以外の人に渡すときは「遺贈する」と書きます(民法964条)。
  • 財産の特定:不動産は登記事項証明書の記載どおりに、預貯金は金融機関名・支店名・種類・口座番号で書きます。記載があいまいだと、手続で使えないことがあります。
  • 残りの財産:書き漏れた財産や後から増えた財産の行き先を決めるため、「前各項に記載した財産を除く一切の財産を」と書く行を入れておくと安心です。
  • 遺言執行者:遺言者は遺言で遺言執行者を指定できます(民法1006条1項)。
  • 日付・氏名・押印:日付は年月日まで、氏名は戸籍どおりに自書し、押印します。

法務局に預けるときの様式ルール

法務省の「遺言書の様式等についての注意事項」が求めるルールは次のとおりです。

項目 ルール
用紙 A4サイズ。文字が読みづらくなる模様や彩色がないもの(一般的な罫線は可)
余白 上5mm・下10mm・左20mm・右5mm以上。余白に1文字でもはみ出すと書き直し
記載面 片面のみ(財産目録も同じ)
ページ番号 各ページに「1/2」「2/2」のように総ページ数も分かる形で、余白内に記載(1枚なら不要)
綴じ方 ホチキス等で綴じない
筆記具 ボールペンや万年筆など消えにくいもの(消えるインクは不可)
氏名 戸籍どおりの氏名(ペンネーム不可)

法務局は遺言書の内容についての相談には応じていないため、分け方の相談は弁護士などの専門家にします。保管の手数料と、亡くなった後に検認が不要になる点は自筆証書遺言の書き方で整理しています。

よくある失敗

  • 日付を「吉日」と書く、年月だけ書く
  • 本文をパソコンで作る(本文は自書が必要。パソコンでよいのは財産目録だけ)
  • 財産目録の一部のページに署名押印がない
  • 訂正の方式を守らずに修正テープや二重線だけで直す(民法968条3項の方式が必要)

遺言で取り分が少なくなる相続人には遺留分があります(遺留分とは)。書き直したくなったときは、いつでも遺言の方式に従って撤回でき、前の遺言と後の遺言が食い違う部分は後の遺言で撤回したものとみなされます(民法1022条・1023条)。

よくある質問

遺言書の日付を「吉日」と書いてもよいですか?

避けてください。法務省は、遺言の作成日付は日付が特定できるよう正確に記載するとし、「令和3年3月吉日」は具体的な日付が特定できないため不可としています。

遺言書は便箋に縦書きで書いてもよいですか?

民法上は用紙や縦書き・横書きの決まりはありません。ただし法務局の遺言書保管制度を使う場合は、A4サイズ・片面記載・決められた余白・ページ番号などの様式を守る必要があります。

財産目録もすべて手書きが必要ですか?

財産目録は自書でなくてもよく、パソコンで作った一覧や登記事項証明書・通帳のコピーを付けられます。その場合は目録の全ページに署名押印が必要です(民法968条2項、法務省)。

出典・参考(公的機関)

※本記事の例文は書き方の型を示すもので、個別の遺言の有効性を保証するものではありません。内容の相談は弁護士・司法書士・公証役場等にご相談ください。

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