(更新: 2026年7月23日)
遺産分割協議書とは?作り方・必要書類・提出期限までわかりやすく解説
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遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とは、亡くなった方(被相続人)の遺産を「誰が・何を・どれだけ」引き継ぐかを相続人全員で話し合って合意し、その内容を書面にまとめたものです。遺言書がない場合や、遺言書と異なる分け方を相続人全員で合意する場合に作成されるのが一般的です。
口頭の合意だけでは、後日「言った・言わない」のトラブルになりやすいだけでなく、そもそも各種の相続手続きを進められないことが多いため、相続人が複数いるケースでは実務上ほぼ必須の書類といえます。
遺産分割協議書が必要になる場面
一般に、次のような手続きで遺産分割協議書の提出が求められるとされています。
- 不動産の相続登記: 法務局での名義変更に、協議書と相続人全員の印鑑証明書が必要とされるのが一般的です。なお、相続登記は2024年4月から義務化されています。詳しくは相続登記の義務化の解説記事をご覧ください。
- 預貯金の解約・払戻し: 金融機関の相続手続きで提出を求められることが一般的です。
- 相続税の申告: 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、遺産分割の内容を前提とする制度の適用を受ける際に、申告書への添付が求められるとされています。
- 自動車・有価証券などの名義変更
作り方の流れ
1. 相続人を確定する
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を集め、法定相続人が誰なのかを確定します。遺産分割協議は相続人全員の参加が前提で、一人でも欠けた協議は無効とされ得るため、この工程が最も重要です。
2. 財産を洗い出す
不動産・預貯金・有価証券・生命保険・借入金など、遺産の全体像を財産目録として整理します。不動産は時価ではなく相続税評価額で評価されるのが一般的で、評価の考え方は不動産の相続税評価の解説記事で解説しています。相続税がかかりそうかどうかの目安(基礎控除は一般に3,000万円+600万円×法定相続人の数)もこの段階で確認しておくと、その後の判断がしやすくなります。基礎控除の考え方は基礎控除の解説記事で解説しています。
3. 分け方を協議し、書面にまとめる
相続人全員で分け方を合意したら、協議書を作成します。決まった様式はないとされていますが、一般に次の点に注意します。
- 被相続人の氏名・死亡日・最後の住所などを明記する
- 不動産は登記事項証明書のとおりに(所在・地番・家屋番号等)正確に記載する
- 預貯金は金融機関名・支店名・口座番号で特定する
- 後日判明した財産の取り扱い(誰が取得するか)を定めておく
- 相続人全員が署名し、実印を押印したうえで、全員分の印鑑証明書を添付する
協議書は相続人の人数分作成し、各自が1通ずつ保管する方法が一般的です。
話し合いがまとまらないときは
当事者だけでの協議が難しい場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用する方法があるとされています。調停委員を交えて話し合いを進め、それでもまとまらない場合は審判手続きに移行するのが一般的な流れです。感情的な対立が深まる前に、弁護士等の専門家へ早めに相談することも有効な選択肢です。
なお、遺産分割がまとまらないまま相続税の申告期限(一般に10か月)を迎えるケースもあります。未分割のまま申告する場合は特例の適用に制約が生じることがあるため、スケジュール全体を意識して進めることが大切です。相続放棄(3か月)や相続登記(3年)など他の手続きの期限もあわせて確認しておくと安心です。全体の期限は相続手続きの期限一覧でまとめて確認できます。
よくある質問
遺産分割協議書は必ず作らなければいけませんか?
法律上、作成そのものが常に義務とされているわけではないとされていますが、相続人が複数いる場合、相続登記・預貯金の解約・相続税申告(配偶者の税額軽減等の適用時)などの手続きで提出を求められるのが一般的です。遺言書どおりに分ける場合や相続人が1人の場合は不要とされることもあります。個別の要否は司法書士等の専門家にご確認ください。
遺産分割協議書は自分で作成できますか?
決まった様式はなく、自分で作成することも可能とされています。ただし、不動産の表記が登記事項証明書と一致していない、相続人が一人でも欠けているなどの不備があると手続きで使えないことがあるため、不動産や相続人が多いケースでは司法書士・行政書士等の専門家に依頼するのが一般的です。
相続人全員の実印と印鑑証明書は必要ですか?
相続登記や金融機関の手続きでは、一般に相続人全員が署名し実印を押印したうえで、全員分の印鑑証明書を添付することが求められるとされています。一人でも欠けると協議自体が無効とされ得るため、相続人の確定が重要です。
話し合いがまとまらない場合はどうすればよいですか?
当事者間の協議が難しい場合、家庭裁判所の遺産分割調停を利用する方法があるとされています。調停でもまとまらない場合は審判に移行するのが一般的な流れです。早い段階で弁護士等の専門家に相談することも選択肢になります。
出典・参考(公的機関)
- 法務局 相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック)
- 裁判所 遺産分割調停
- 国税庁 タックスアンサー No.4205 相続税の申告と納税
- 国税庁 タックスアンサー No.4158 配偶者の税額の軽減
- 法テラス(日本司法支援センター)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の税務・法務上の効果を保証するものではありません。個別の税務・法務判断は、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。
分け方を考える前に、まずは全体の目安を
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