(更新: 2026年7月23日

相続放棄の期限は3か月?起算点と手続き・必要書類・費用を解説

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相続放棄とは

相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金や保証債務などのマイナスの財産も引き継ぐのが原則とされています。相続放棄は、家庭裁判所への申述が受理されることで、一般に「初めから相続人ではなかったもの」とみなされる手続きです。これにより、プラスの財産を受け取れない代わりに、借金などのマイナスの財産も引き継がないことになるとされています。

「明らかに借金の方が多い」「疎遠な親族の相続に関わりたくない」といったケースで検討されることが多い手続きですが、期限や方式が厳格に定められている点に注意が必要です。

期限は「知った時から3か月」が原則

相続放棄は、一般に**「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内**に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述する必要があるとされています。この3か月は「熟慮期間」と呼ばれ、相続するか放棄するかを判断するための期間と位置づけられています。

起算点は「亡くなった日」そのものではなく、「自分が相続人になったことを知った時」とされているため、たとえば先順位の相続人が全員放棄したことで自分が相続人になったケースでは、そのことを知った時からカウントが始まると考えられています。ただし、起算点の判断は個別の事情に左右されやすい論点のため、迷ったら早めに専門家へ相談するのが安全です。

なお、財産調査に時間がかかる場合には、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てる方法もあるとされています。相続放棄のほかにも、相続税の申告(一般に10か月)や相続登記(一般に3年)など期限のある手続きが続くため、全体像は相続手続きの期限一覧であわせて確認しておくと安心です。

手続きの流れと費用の目安

相続放棄の一般的な流れは次のとおりです。

1. 相続財産を調査する

預貯金・不動産・有価証券などのプラスの財産と、借入金・保証債務などのマイナスの財産を確認します。放棄すべきかどうかの判断材料になるため、できる範囲で早めに全体像を把握します。

2. 必要書類をそろえる

一般的なケースでは、相続放棄の申述書のほか、被相続人の住民票除票(または戸籍附票)、申述人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本などが必要とされています。申述人と被相続人の関係(配偶者・子・親・兄弟姉妹など)によって必要な戸籍の範囲が変わるのが一般的です。

3. 家庭裁判所に申述する

費用は、一般に申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手(金額は裁判所によって異なります)とされています。申述後、家庭裁判所から照会書が届くことが多く、回答を返送し、問題がなければ受理の通知が届くという流れが一般的です。

相続放棄で注意したいポイント

  • 相続財産を処分すると放棄できなくなることがある: 被相続人の預金を使う、財産を売却するなどの行為は、一般に相続を承認したもの(単純承認)とみなされ、放棄が認められなくなる可能性があるとされています。
  • 次の順位の相続人に相続権が移る: たとえば子全員が放棄すると、一般に親、兄弟姉妹へと相続権が順に移ります。借金を理由に放棄する場合は、親族間で情報を共有しておくとトラブル防止につながります。
  • 原則として撤回できない: 一度受理された相続放棄は、原則として撤回できないとされています。
  • 税金の計算上の扱いは独特: 相続税の基礎控除額(一般に3,000万円+600万円×法定相続人の数)を計算する際の「法定相続人の数」は、放棄がなかったものとした場合の人数で数えるとされています。詳しくは基礎控除の解説記事をご覧ください。また、死亡保険金は放棄をしても受け取れるケースがある一方、生命保険の非課税枠は適用されないとされるのが一般的です。

放棄するかどうかの判断は、財産の全体像がわからないと難しいものです。遺産に不動産が含まれる場合の評価の考え方や、相続税がかかりそうかどうかの目安は、当サイトの相続税シミュレーターでも確認できますので、検討材料の一つとしてご活用ください。

よくある質問

相続放棄の期限はいつまでですか?

一般に、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(熟慮期間)に、家庭裁判所へ相続放棄の申述をする必要があるとされています。起算点の判断はケースによって異なるため、期限が迫っている場合は早めに弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。

3か月以内に決められない場合はどうすればよいですか?

相続財産の調査に時間がかかるなどの事情がある場合、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てる方法があるとされています。伸長が認められるかどうかは個別の事情によるため、期限内に申立てを行えるよう、早めに専門家へ相談することが望ましいといえます。

相続放棄にかかる費用はどれくらいですか?

家庭裁判所への申述には、一般に申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手(金額は裁判所によって異なります)が必要とされています。このほか戸籍謄本等の取得費用がかかり、弁護士・司法書士に依頼する場合は別途報酬が必要です。

相続放棄をしても死亡保険金は受け取れますか?

死亡保険金は一般に受取人固有の財産とされ、相続放棄をしても受取人に指定されていれば受け取れるケースがあるとされています。ただし、その場合は生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の適用を受けられないとされるのが一般的です。影響が大きい論点のため、必ず税理士等の専門家にご確認ください。

出典・参考(公的機関)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の税務・法務上の効果を保証するものではありません。個別の税務・法務判断は、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。


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